シャッター×重岡くん
ラッキィィィィィィィ7振り返り…?
ask「重岡くんとの出会い」
askで「重岡くんとの出会い妄想をお願いします!」という質問(?)を頂いたので…!
前に考えてたものがあるのでそれを元に書いてみました。主人公は高校1年生になる女の子です。
今日は高校の入学式。緊張と不安で、もうドキドキしながら学校に向かいます。クラスは1組。教室に入るともう、これから1年一緒に過ごすことになるクラスメイトがぽつぽつと座っていて、中には同じ中学同士なのか、もう仲良く話をしている人達もいるんです。黒板に座席表が貼ってあるので、自分の名前を探すと、真ん中の列の前から4番目。「微妙な席だな〜」と思いながら座ります。男女混合の名前順のようです。
女の子は教室をキョロキョロするのもおかしいし、かと言って自分から話しかける勇気もないし。そんなに大人しいキャラではないけど、最初はやっぱり緊張しますよね。クラスには同じ中学だった子もいないみたいだし、もう不安がいっぱいで、膝の上に手を置いて俯いています。すると上から、
「あの、ちょっとすんません」
と声が。自分の横に立ってるのがわかるので、とりあえず顔を上げるとひとりの男の子がこっちを見下ろしてる。「え、怖いどうしよう…!」と思って何も言えずにいると、
「ここ、俺の席やねんけど」
「へ、」
「4番目」
「え、私も4番目で…あれ…?」
と、アワアワしてしまう女の子。きっとそれが顔にも出ていたようで、男の子はフッと笑って、
「名前は?」
「え?」
「名前。教えて?」
「えっと…、」
フルネームを伝えると、振り返って黒板のところまで歩いていく男の子。座席表を確認してまたこちらに戻ってきたかと思うと、ちょっとにやっとした顔で、
「(フルネーム)ちゃんはこっちやで」
と、女の子の座っている席の前、つまり前から3番目を指差して言うんです。
「え、え、うそぉ!?」
「嘘ちゃうし。前後ろ逆に見たんちゃう?」
「え、あ、ごめんなさいっすいません!」
ってもう急いで鞄持って前の席に座る女の子。その姿をちょっと笑って見て、自分も席に座る男の子。
「なぁ、(フルネーム)ちゃん」
と男の子から呼ばれたので「なんでフルネーム…」と思いながら振り返ります。すると、男の子は机の上に新品のノートとマジックペンを出していて、
「(フルネーム)ちゃんさぁ、字上手そうやな!ココ(ノートの表紙)に数1って書いてくれへん?」
「え、何でですか…自分で書けばい
「俺むっちゃ字下手くそやねん!お願い!」
と言葉を被せられ、お願いポーズまでされたら断れません。じゃあ、と机の上にあるマジックペンを手にとってペン先を紙につけて文字を書こうとすると…
「いった!!!!!」
手にビリビリっと電気が走ります。痛い!ていうかビックリ!!ビックリしすぎて急に手を引っ込めた女の子はまたまた腕を机にぶつけてしまうんですよね。
「いっっ!!!!」
クラスの皆が女の子の方に目線を向けます。そりゃあそんな大きな声出したら目立ちますよね。とっても恥ずかしい。しかし、いたずらをした本人は指を指して肩で笑ってる。やばいねんけどって言いながら。
「ちょっと、君!笑いすぎ!」
「あ〜(泣)おもろかった…100点」
と言いながらまた笑う男の子。腹立つ。だいたい何でこんなペン持ってんの。くそガキかよ。腹立つ。
「…全然おもしろくないです」
「(フルネーム)ちゃん、入学早々注目浴びて人気者やな」
あ〜〜〜また思い出してきた!腹立つ!
「誰のせいでっ…!」
「誰?」
「え、と、」
そういえば、まだ男の子の名前聞いてません。
「きみ!あなた!あなたのせいで、
「しげおかだいき」
「え、?」
「俺、重岡大毅」
「え、あ、重岡くんのせいで、
「しげでええよ(笑)」
キーンコーンカーンコーン。
担任の先生が入ってきたので女の子は席について、無事その日入学式を迎えました。
※ おまけ
入学式終わりの帰り道。
「かみちゃんの担任顔むっちゃ怖ない?」
「こわい!しかも背でかい!」
「クラスは?」
「あーまだわからへんな〜」
「かみちゃん人見知りやもんな」
「しげは?しげのクラスどうなん?」
「俺?……あー(笑)」
「何わろてんねん」
「いや…むっちゃおもろいのおんねんけど」
「え、なに?」
「いや、…何もあらへん(笑)」
「は!何やねんそれ!」
これが、くそガキの重岡くんとの出会いです。長くなりました。読んでくださってありがとうございました〜!
リッツパーティー×重岡くん
たぶんメールもあんまりしないし電話も5日に2回くらい、夜寝る前にちょっとお話するくらいで。12時がタイムリミットなんですよね。
「あ、もう12時…」
「あ、ほんまや」
って。時間教えなきゃ1分でも2分でも長く話せるのに、重岡くんが気付くまで話せるのに。なのに彼女は毎回12時だよって。
「明日早いの?って毎日シゲは6時起きか(笑)」
「まぁな〜。あ、でもな?最近寒いから加湿用に溜めてたお湯抜く間に気づいたらまた寝てんねん。二度寝(笑)」
「え〜?シゲが?」
「まぁ8時までには起きてるけどな」
「そっか」
「うん、」
「…うん」
彼女からおやすみを切り出すことはないんですよね、毎回。だってできることならもっと重岡くんと電話してたいもん。
「じゃあ…そろそろ寝るな、俺」
「うん、ごめんね12時過ぎちゃった」
「や、ええねん」
「うん」
「…ほんなら、また連絡する」
「はい」
「おやすみ」
「おやすみなさい」
「……。」
「……。」
「…はよ切れや(笑)」
「ふふ、ごめん(笑)おやすみ!」
「はいはい」
ツー、ツー。
必ず、彼女が切ってから携帯を耳から離す重岡くん。通話時間が表示された画面を眺めて、
「ごめんな、」
と呟いてからお布団に潜りこんで考えます。
【次の休みには会いに行こう。謝る暇があるなら会いに行こう】
電話を切った後、彼女はこう思います。重岡くんと中々会えない日が続いてるけどしょうがない。
「シゲはお仕事がんばってるんだから」
って。もう絶対、シゲを困らせるようなこと言わないって、自分の中で決めてるから。
少し前の話。いつも通り、夜の11時半くらいに重岡くんが彼女に電話をかけるんです。
「あ、もしもし?」
「あーシゲー?」
「…」
「えー?もしもしー?シゲー?」
「お前…酔ってるやろ」
「えー?酔ってないよー」
「今どこ?」
「いえー!今さっき帰ってきたー」
「…飲みすぎちゃう?危ないやんかそんな飲んで、一人で帰って来て」
「…」
「あんま飲めへんのに」
「…」
「おーい、聞いてんの?」
「…うるさいよ」
「えっ?」
「じゃあそんなこと言うなら…シゲがっ、(迎えにきてよ…)」
「…」
「…なんでもない。ごめん、今度から気をつける」
「…俺が、なに?」
「ううん、なんもないよ」
「嘘やん。今言おうとしたこと、言うて」
一切寂しいなんて言われたことないし、いつも「頑張ってね」と重岡くんの背中を押してくれてる彼女。でも、我慢してるんです。彼女はいっぱい我慢してる。それを、重岡くんもわかってる。
「無理してるんやろな、我慢させてんな、俺」って。だから、今日は彼女の弱いところが少し見れるかなって、見せてくれたら受け止めてあげたいなって、思うんですよね。
「嘘やん、今言おうとしたこと、言うて」
こう言われて言葉が詰まる彼女。もう、出かかってる。『会いに来て』『寂しいよ』って。でも、やっぱり
「シゲ、あのね。会いたい時にいつでもしげはいないけど、寂しくて辛いこともお互い様で、分け合えてるんなら、私は嬉しいよ」
「…」
「ってふはは!私何言ってんの〜やっぱちょっと酔ってるかも!お風呂入ってくる!」
「え、?は、ちょ、」
「じゃあシゲは12時には寝るんだよ!」
「え、あ、うん」
「じゃあね、おやすみなさい」
「おっおい!」
ツー、ツー。
この日が最初で最後です。彼女からおやすみを言ったのは。でも重岡くんもわかったんです。ちゃんと。
「私は嬉しいよ」
【そう言った君の声がいつもより寂しそうで本当は いつもそばにいて って言ってる事、やっと気付くんだ】
ある日。
「明日朝むっちゃ早いから今日は電話できひんねん、ごめん。おやすみ」
お風呂から上がって携帯を見ると重岡くんからメールが。
「そっか。寝坊しないようにね!おやすみなさい」
…今週は1回だけだったなあ、声聞けたの。って考えながら返信をします。
『っ!だめだめ!1回でも充分だよ!』って自分に言い聞かせるんですよね。
その後彼女は、なんとなくまだ寝たくなくて映画を観て結局1時過ぎにお布団に入りました。明日はおやすみなのでたくさん眠ろう、と。
ーーー〜〜〜♪
「…」
携帯が鳴ってることに気付きます。と同時に玄関のチャイムも鳴ってる。
ーピンポーン
「なに…まだ9時じゃんか…」
携帯は後回しにして、身体を起こして玄関に繋がる受話器をとります。
「はい…」
「遅い!」
「…??」
「いつまで寝とんねん、開けろやー寒いねんけど」
「………え、」
「おーい、寝てんの?おま…」
ガチャン!
急いで玄関に向かってガチャガチャって鍵を開ける彼女。扉を開くとそこには…
「っ、なんで、」
「焦りすぎ(笑)」
「はぁ??待って、」
「むっちゃ寒いねんけど、中入れてや。あーさっむ」
「なんでっ!?なんでシゲがいるの…」
そこには、口が隠れるくらいにマフラーをぐるぐるっと巻いてポケットに手をつっこんでる大好きな彼が。
「なんでって…(笑)…お前に会いに来たんやんか、」
と頭をガシガシっとかく重岡くん。照れるとしちゃうその仕草が変わってなくて思わず涙が溢れそうになる彼女。
昨日、急に明日お休みだと知らされた重岡くんは、彼女に内緒で会いに来たのです。
【次の休みには会いに行くから】
と決めていたから。いつもよりまた早い時間に起きて、二度寝しないように。彼女の好きなお菓子や飲み物を買って。目をこすりながら、歩いて。電車に乗って。
【足りないものを見つけて それが君だとちゃんと言おう】
電車から降りて、彼女のびっくりした顔を想像したり、第一声なんて言おうか、とか。そんなことを考えて歩いてると顔も自然と緩んで、だんだんと早歩きになっていって。
離れてても、どんなに忙しくても、彼女の笑顔を失くすようなことはしたくない。
【君の心がいつだって晴れ渡るように努力をしなくちゃ】
「言ってよ〜…!びっくりするじゃん…!」
「びっくりさせたかってん(笑)泣くなや〜(笑)」
今日はいっぱいわがまま聞いてやろう。何でもしてあげよう。
「あのさ、俺、」
【君の弱さも強さも全部まとめて面倒見るから】
「うぅっ、な、に…」
「ちょ、おまっ、鼻水…!汚いねんほんま!ほら〜もう」
「だって、シゲが〜〜っ」
「はいはい、もうええから、拭けってまず(笑)」
【なんて言えたらいいなって、思ってるけどこれは後でいいや】
end.
恋×濱田くん
「…だ、はまだー」
「痛っ、」
「ぼーっとすんなよー」
「は、はい…すんません…」
先生から教科書で頭を叩かれてやっと、自分がまた彼女のことを見つめていたことに気付きます。木曜日の5限目。席替えをして窓際の席になってから、この時間になると退屈な先生の話なんて全然入ってこなくて。外には体育の授業で友達と笑い合う彼女の姿。彼女を毎回無意識に探して、ぼんやりと眺めることが濱田くんのその日の日課なのです。
でも、こうやって眺めてられるのもあと少し。もう卒業式までのカウントダウンはすでに始まってるから。
早く、早くしないと。
想いを告げようとしたことは何度もあったのです。幼稚園の頃から今までに何度も。彼女が自分の名前を呼んで、楽しそうに自分の横で笑ってるのが可愛くて仕方がなくて。何度も彼女の頭を撫でようと、手を伸ばしては引っ込める。
「ん?」
「ん?いや、」
「え、なに?何か頭についてる?」
「え…あ、ああ、ホコリ。取ろうとしたら風で飛んでった」
「そっか、ふふ、ありがと」
こんなにずっと一緒にいるのに、毎日彼女が何を願って誰を想っているのかも、結局大事なとこは何も知らずにいて。
「…彼氏できた、」
ある日、彼女は少し頬を赤くして報告してくるんです濱田くんに。濱田くんは、こんな表情をした彼女なんて見たことなくて。
「ま、まじか!良かったなあ!」
と、ただただ笑うことしかできなかったのです。
【想い通りにならない事が多いのは 今に始まったわけじゃない】
本当は薄々気付いてた。彼女の気持ちが自分に向いてないことくらい。好きな映画も好きな食べ物も誕生日も全部知ってる。だって幼稚園の時からずっと見てきたんだから。
彼女の幸せを願うけど、
【きっと誰より君を想っているのは、今日も明日も僕だから。】
絶対俺の方が彼女のこと…あかんあかん!って頭をくしゃくしゃっとして、そんな気持ちを消そう消そうとするんです。
結局、想いを告げることができないまま、卒業式当日。式も無事終わり、教室を出ると卒業生とその保護者、先生、後輩達でいっぱいで。そんな中でも、やっぱり彼女の姿を探してしまう濱田くん。
「あ、」
濱田くんの目に映ったのは、泣いた後なのか、少し目を赤くした彼女とひとりの男の子。ちょうど男の子が第二ボタンをとって彼女に渡しているところでした。彼女は嬉しそうな笑顔を彼に向けていて。
「なぁ、ええの?」
「え?」
「気持ち、伝えんくて、ええの?」
「…」
唯一、濱田くんの気持ちを知っていて長い間相談に乗ってくれてた女の子が、濱田くんの目線を辿って気付き、声をかけます。
「行ってき!ちゃんと伝えてき!」
ほら、と背中を押され、よし!と気合いを入れ、仲のいい友達の群れからひとり離れ、もうそのまま真っ直ぐ歩きます。
ずっとずっと、言いたかった。でも伝えた後、彼女はどんな顔をするのかなって想像するとやっぱり言えなくて。
【会えなくなる前に 言えなくなる前に】
でも、今日は。今日こそは。
「あの、!」
「あ、はまちゃん!」
「あの、さ!」
「うん?」
「…俺、な?」
end.